SHIKOKU CRAFT 2024について

徳島(阿波)、香川(讃岐)、愛媛(伊予)、高知(土佐)の気候・風土の中で生まれている
四国のものづくりをマテリアル(素材)ごとに紹介します。素材が同じでも、デザインや技法で多様なプロダクトを集めました。
作り手の想いに触れながら、ものづくり遍路をお楽しみください。

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中央に深い山脈を抱く四国は木はもっとも身近な素材で、古くから木地や木工の職人が活躍し、スギやヒノキなどの植林も盛ん。器やインテリア、バッグ、知育玩具などの木製品は多岐に渡り、ろくろ挽きや家具制作、桶製造、漆芸による加飾などの技術も多彩。新たなアイデアと共に次世代へ継承されている。

香川県の保多織(ぼたおり)は木綿で織られ、夏には通気性が良く、冬には空気を含み暖かい。吉野川流域の豊かな土壌で培われた徳島県の藍染は、繊維を美しく丈夫にする。四国の気候に応じた繊維や染色、縫製技術が発達してきたが、近代以降は技術の発展が進み、帽子や手袋などの製造では高いシェアを誇る。

土佐和紙に代表されるように、四国の山間部では楮(こうぞ)の生産が盛んで、特色ある紙づくりが伝承されてきた。丈夫でしなやかな和紙は書画だけでなく、現在では照明器具にも利用されるなど、温かい風合いが人気。また和紙を貼った団扇は強く仰いでも破れにくく、長期間使い続けることができる。

手袋シェア日本一を誇る香川県東かがわ市をはじめ、皮革産業が根付いている四国。デザイン性の高さと加工・縫製技術が脈々と培われ、近年ではステッチを活かした斬新な製品も増えている。また藍染など四国ならではの素材と掛け合わせ、さらなる経年変化を楽しめるものづくりへと展開している。

中央構造線が東西に連なる四国は、様々な石が産出される。特に香川県高松市の牟礼・庵治地区で採れる石は最高級石材とされ、結晶が生み出す斑(ふ)模様や艶やかな質感が美しく、墓石として重宝されてきた。庵治石産地には多数の職人が集住し、技術を継承しながら新たな製品の開発にも力を入れる。

四国ならではの素材を用いたオリジナリティあふれるガラス作品が次々と生まれている。香川県の庵治石の石粉やオリーブの枝の粉末を融かし込んだ作品や、香川県広島で採れる青木石の粉末や廃ガラスをリサイクルした作品など、限りある資源を活用した新たなプロダクトが、循環型社会を体現している。

愛媛県の砥部焼、徳島県の大谷焼などの産地を有する四国。砥部焼は厚手で割れにくい鉢や椀などとして、大谷焼は藍染液をつくるための甕として発展してきた。近年では自由な発想の窯元も増え、暮らしに寄り添う器を展開している。また香川県では装飾的な屋根瓦からヒントを得た器なども生まれている。

香川県の打出し銅器や高知県の土佐打刃物などの道具は、使い勝手の良さを考えてデザインや製造技術が磨き上げられてきた。手入れをすれば長く使えて、色や艶に経年変化が出るのも金属工芸の魅力。繊細な表現を生かした自然物をモチーフとしたものなど、新たな視点からの工芸品も登場している。

【木】株式会社川口屋漆器店、有限会社 クラフト・アリオカ、工房正峯、工房フローラ、さざなみ漆器、さぬきうるし Sinra、SHIN、谷川木工芸株式会社、中田漆木、日本ケミフェルト株式会社、有限会社森工芸/MORI KOUGEI、有限会社森本建具店、山中象堂、有限会社山西商店  【繊維】株式会社あおし/ISSO、江本手袋株式会社/佩(ハク・hac)、有限会社大川原染色本舗 、樫原工業株式会社、讃岐の手まり、四国フクスケ株式会社、ブティックjune、渡辺パイル織物株式会社/WATANABE PILE  【紙】株式会社五十崎社中、Studio紙音、土佐和紙井上手漉き工房、土佐和紙プロダクツ、宮内張子 太田みき子、りくう  【革】株式会社絹や/絹や、ghoe ゴエ、平田商店、RUFFIAN、ルボア株式会社/ルボアデザインショップ  【石】株式会社蒼島/AJI PROJECT、aji stone interior room 「e Moyō」(えもよう)by有限会社石材商 太元屋、たぶん、加工。、中田漆木  【硝子】Glass Studio Uka(グラススタジオウカ)、TOMOMATSU GLASS MARKET、野口正子、Rie Glass Garden  【土】小泉製瓦有限会社/かわらや「菊貞」、讃岐装飾瓦 神内俊二、ニシクミ、野口二朗、朋花窯(ほうかかま)、宮内張子 太田みき子  【金属】ATELIER T_tree、eotas(イオタス)、黒鳥鍛造工場、冨士源刃物製作所、有限会社槙塚鉄工所  (五十音順)